前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
「外に行っちゃったんじゃない? 賢いから、すぐに戻ってくるわよ。それより公花、冷蔵庫にあるみかん、おばあちゃんに出してあげて」
「えー? ……はいはい」
それもありえるかと納得した公花は、母の言いつけどおりキッチンへ行き、冷蔵庫を開けて、硬直した。
冬眠しかけた剣が、冷蔵室のど真ん中に鎮座していたからだ。
「おばあちゃん! 間違えて入れたでしょ!? にょろちゃんはウナギじゃないからね!?」
「あ~? 知らんよ~」
公花の手の平で温められて、薄れかけた意識を取り戻したが、蛇はあやうく昇天しかけた。
文句を言う気力すら残っていなかったが、ばあさんに関しては要注意だと、剣は再認識する。
ペットと把握しているときですら、「ほぉら、ご馳走だよ~」となんだかよくわからないゲテモノを食べさせようとしてくるのだ。
(俺はそんなものは食わない! やめろ~っ……!!)
気が休まるのかそうでないのかよくわからない、ドタバタとした毎日が続いた。
だが反面、温かい公花の家族に癒されてもいて――。
あるとき、公花と蛇は、一緒に寝そべって漫画を読みながら、語り合った。
「なんで私だけ、家族の中で前世の記憶があるのかなぁ。私と剣くんの他にも、いるのかな?」
『いるよ。記憶だけでなく、異能も受け継ぐものもいる』
「えー? ……はいはい」
それもありえるかと納得した公花は、母の言いつけどおりキッチンへ行き、冷蔵庫を開けて、硬直した。
冬眠しかけた剣が、冷蔵室のど真ん中に鎮座していたからだ。
「おばあちゃん! 間違えて入れたでしょ!? にょろちゃんはウナギじゃないからね!?」
「あ~? 知らんよ~」
公花の手の平で温められて、薄れかけた意識を取り戻したが、蛇はあやうく昇天しかけた。
文句を言う気力すら残っていなかったが、ばあさんに関しては要注意だと、剣は再認識する。
ペットと把握しているときですら、「ほぉら、ご馳走だよ~」となんだかよくわからないゲテモノを食べさせようとしてくるのだ。
(俺はそんなものは食わない! やめろ~っ……!!)
気が休まるのかそうでないのかよくわからない、ドタバタとした毎日が続いた。
だが反面、温かい公花の家族に癒されてもいて――。
あるとき、公花と蛇は、一緒に寝そべって漫画を読みながら、語り合った。
「なんで私だけ、家族の中で前世の記憶があるのかなぁ。私と剣くんの他にも、いるのかな?」
『いるよ。記憶だけでなく、異能も受け継ぐものもいる』