前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
すんすんと鼻を鳴らしながら、公花は大切なものをあやすように籠を一度抱きしめる。
毛布にくるまっているうちに、いつの間にか目を閉じて、眠りに落ちていた。
――寝静まった深夜。
グラグラと揺れる感覚に、まどろみの中にあった意識が揺り起こされる。
「……な、なに!? 地震?」
倉庫が左右に振動している。急いで外に飛び出したほうがいいのだろうが、真っ暗な中、なにも見えない状態では、機敏に行動することができない。
だが思ったよりもすぐに、ぴたりと揺れがやんだ。
その隙にランプの明かりをつけて、まずは籠の所在と剣の無事を確認する。それはすぐ手の届く位置にあった。中にいる剣の様子も、変わりはない。
(よかった……でも、また揺れるかもしれない。外に出たほうがいいよね……)
籠を抱えて、避難しようと立ち上がった。
出入り口の扉に手をかけようとして、
――メキメキッ……。
目の前で、スチールの扉がきしむ嫌な音が。さらに鍵の代わりに設置していたつっかえ棒が、不自然に歪んだ。
何者かが、外側からこじ開けようとしているのだ。
「えええ!?」
すぐにバキンと棒が折れて、扉は開かれてしまった。
仕切りを失った出入り口から見えた倉庫の外には、ふたりの男が立っていた。
不気味な赤い眼をした痩躯の男。
そして、体重も身長も公花の二倍はありそうな、熊のような大男だ。
「みいつけた」
赤眼の男は、人相がいいとはいえない顔で、にやっと笑った。
毛布にくるまっているうちに、いつの間にか目を閉じて、眠りに落ちていた。
――寝静まった深夜。
グラグラと揺れる感覚に、まどろみの中にあった意識が揺り起こされる。
「……な、なに!? 地震?」
倉庫が左右に振動している。急いで外に飛び出したほうがいいのだろうが、真っ暗な中、なにも見えない状態では、機敏に行動することができない。
だが思ったよりもすぐに、ぴたりと揺れがやんだ。
その隙にランプの明かりをつけて、まずは籠の所在と剣の無事を確認する。それはすぐ手の届く位置にあった。中にいる剣の様子も、変わりはない。
(よかった……でも、また揺れるかもしれない。外に出たほうがいいよね……)
籠を抱えて、避難しようと立ち上がった。
出入り口の扉に手をかけようとして、
――メキメキッ……。
目の前で、スチールの扉がきしむ嫌な音が。さらに鍵の代わりに設置していたつっかえ棒が、不自然に歪んだ。
何者かが、外側からこじ開けようとしているのだ。
「えええ!?」
すぐにバキンと棒が折れて、扉は開かれてしまった。
仕切りを失った出入り口から見えた倉庫の外には、ふたりの男が立っていた。
不気味な赤い眼をした痩躯の男。
そして、体重も身長も公花の二倍はありそうな、熊のような大男だ。
「みいつけた」
赤眼の男は、人相がいいとはいえない顔で、にやっと笑った。