前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
「ふがふが! 俺、力持ち!」
もうひとりの大男が、興奮をあらわに天に吠える。
倉庫を揺らし、扉を壊したのは、どうやら大きいほうの彼の仕業のようだ。
でも、簡易倉庫とはいえ、腕力でこじ開けるなんてあり得るのだろうか。
そうはいっても、目の前のふたりが「普通」ではないことは、公花にもわかる。
襲撃者たちは、ふたりとも異様なオーラを発していた。
(剣くんが言ってた、異能を持つ人たちだ……)
ゆっくりと後ろに下がるが、明らかに追い詰められている状況。
赤眼の男が、首を傾げてちょっと面倒くさいみたいな仕草をとりながら、言った。
「おい、そこのちっこいの。ご当主はそこにいるんだろ? あぁ、その籠の中か。随分と可愛いサイズになっちゃってなぁ。迎えに来たんだ。とっととこっちに渡せ」
「い、嫌です! なんなんですか、人の家の倉庫を壊しておいて……!」
「はぁ? 俺たちに逆らう気? あんたの命は保証されてないけれど、どうしようかなぁ」
公花は籠をかき抱いて、必死で睨みつける。
「警察! 呼びますよ!」
「警察だって。笑っちゃうね。おい、クマ。もっと暴れていいぞ」
赤眼は大男に目配せをし、指をくいっと曲げて合図した。
「俺! 暴れる! 了解!」
命令を受けた大男が、倉庫の壁を掴み、ゆさゆさと揺らしだす。
もうひとりの大男が、興奮をあらわに天に吠える。
倉庫を揺らし、扉を壊したのは、どうやら大きいほうの彼の仕業のようだ。
でも、簡易倉庫とはいえ、腕力でこじ開けるなんてあり得るのだろうか。
そうはいっても、目の前のふたりが「普通」ではないことは、公花にもわかる。
襲撃者たちは、ふたりとも異様なオーラを発していた。
(剣くんが言ってた、異能を持つ人たちだ……)
ゆっくりと後ろに下がるが、明らかに追い詰められている状況。
赤眼の男が、首を傾げてちょっと面倒くさいみたいな仕草をとりながら、言った。
「おい、そこのちっこいの。ご当主はそこにいるんだろ? あぁ、その籠の中か。随分と可愛いサイズになっちゃってなぁ。迎えに来たんだ。とっととこっちに渡せ」
「い、嫌です! なんなんですか、人の家の倉庫を壊しておいて……!」
「はぁ? 俺たちに逆らう気? あんたの命は保証されてないけれど、どうしようかなぁ」
公花は籠をかき抱いて、必死で睨みつける。
「警察! 呼びますよ!」
「警察だって。笑っちゃうね。おい、クマ。もっと暴れていいぞ」
赤眼は大男に目配せをし、指をくいっと曲げて合図した。
「俺! 暴れる! 了解!」
命令を受けた大男が、倉庫の壁を掴み、ゆさゆさと揺らしだす。