前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
「ヒッ! 退学って、そ、そんな……。冗談ですよね?」
「いやマジだ。大マジだ」
「あのぅ、今後の試験をマークシートか、すべて選択式にしていただくなんてことは……」
「ダメにきまっとろーが!」
田中が飛ばした唾を顔に受けながら、公花は「困った……」と彼女なりに悩み、考え込んだ。
別に自分は、勉強しないわけではないのだ。だが勉強しても頭に入らない者と、きれいに引き出しに収まる者がいる。自分は前者である。
田中のためにもいい点数を取れるようになりたいが、そうなれるという自信はない。
一方、「いい人」である田中も、ぶつぶつと呟きながら、この問題児をどうすべきか悩み、頭を抱えていた。
「俺が勉強を教えてやりたいが、部活があるしなぁ……」
彼は、サッカー部の顧問を担っているのだ。熱血派なので、活動日も多い。
「先生、無理はしないでください」
「だから、おまえが言うなぁっ!」
――と、そんな哀れな男の後ろに立つ人影が。
「先生、落ち着いてください。血圧が上がりますよ」
(ヒェッ!)
現れた人物を見て、公花はピキーンと固まった。
細身だが軟弱ではない王子様スタイル。硬派な黒髪に、切れ長の目。
天敵の「蛇」がそこに立っていたのだ。
「いやマジだ。大マジだ」
「あのぅ、今後の試験をマークシートか、すべて選択式にしていただくなんてことは……」
「ダメにきまっとろーが!」
田中が飛ばした唾を顔に受けながら、公花は「困った……」と彼女なりに悩み、考え込んだ。
別に自分は、勉強しないわけではないのだ。だが勉強しても頭に入らない者と、きれいに引き出しに収まる者がいる。自分は前者である。
田中のためにもいい点数を取れるようになりたいが、そうなれるという自信はない。
一方、「いい人」である田中も、ぶつぶつと呟きながら、この問題児をどうすべきか悩み、頭を抱えていた。
「俺が勉強を教えてやりたいが、部活があるしなぁ……」
彼は、サッカー部の顧問を担っているのだ。熱血派なので、活動日も多い。
「先生、無理はしないでください」
「だから、おまえが言うなぁっ!」
――と、そんな哀れな男の後ろに立つ人影が。
「先生、落ち着いてください。血圧が上がりますよ」
(ヒェッ!)
現れた人物を見て、公花はピキーンと固まった。
細身だが軟弱ではない王子様スタイル。硬派な黒髪に、切れ長の目。
天敵の「蛇」がそこに立っていたのだ。