没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「あの…。おせっかいみたいですが、あのときのことはもう解決したのですか?」
「あのときのこと?」
「ほら、結婚はしないぞーって…」
男性は一瞬ポカンと考え込むような表情をしたけれど、その後クスクスと笑いだした。
「そうだったな。忘れていたがフィリシティ嬢と一緒に崖の上から叫んだのだった」
そのまましばらくクスクス笑う男性を見てフィリシティはふと思った。
「なぜわたしの名前を?」
ここではマリアンヌとなっているはずなのに。知っているのはローマンだけ。
男性は笑うのをやめると真顔になり、フィリシティのほうへまっすぐ向き直った。
「あのときのこと?」
「ほら、結婚はしないぞーって…」
男性は一瞬ポカンと考え込むような表情をしたけれど、その後クスクスと笑いだした。
「そうだったな。忘れていたがフィリシティ嬢と一緒に崖の上から叫んだのだった」
そのまましばらくクスクス笑う男性を見てフィリシティはふと思った。
「なぜわたしの名前を?」
ここではマリアンヌとなっているはずなのに。知っているのはローマンだけ。
男性は笑うのをやめると真顔になり、フィリシティのほうへまっすぐ向き直った。