没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「殿下…」

「おまえは悪くない。それは絶対にだ。それは俺がわかっている。それを俺が知っているからいいんだ。わかるな」

その言い聞かせるような口調は心の底から出たものに違いなく、自分が恐れ多くも王太子殿下の心を救ったのかと驚いた。

レオンはフィリシティを信用してくれている。もう迷うことはあるまい。

フィリシティは迷いなくうなづいた。

「はい」

「よし」
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