没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました

「クランドン侯爵に死期が近いと言われているのは知ってるだろう？会ったことはあるか？」

「いえ。まったくございません」

母と絶縁していたのだ。会ったことなどない。

「王家からみたクランドン侯爵家とはどういうものなのか知っておく必要があるな。初代に近いころにクランドンは王家からの分家として派生した」

「そうなのですか？」

まさか昔をたどると王家だったとは…。フィリシティは驚いた。

「その後は表立っては特に目立たない存在ではあるが、裏社会とのつながりが深く、王家と裏社会を陰でつながらせてくれているのがクランドンなんだ」

「裏社会ですか…」