没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
もう準備は整っていたのね。とフィリシティは眼を見開くしかない。

「もう決まっていたということですね」

フィリシティが口に手をあてて言うと、レオンはにやりと笑った。

「そうだ。おまえにしか頼む者がいなかったからな。嫌だと言われてもなんとか説得するつもりだった。ただ、勘違いするな。俺はお前を駒と思ってるわけじゃない」

「はい」
< 133 / 265 >

この作品をシェア

pagetop