没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「マリーナと似ている。あの子はもう身罷ったのだね」

「はい。3年前に突然の病により病床につき1か月でなくなりました。突然のことでわたしたち家族は途方にくれたものでございますが、最近ようやく活力を取り戻してきたところです」

「そうか。マリーナは恨んでいたからわたしのことは悪く言っていただろう。フィリシティの顔に書いてある。どんな頑固じじいがでてくるのかと思っていたとな」

そして「ふわっふわっふわっ」と笑う。

上品な顔なのに豪快に笑った老侯爵にフィリシティは面食らって、あまりのギャップにポカンとしてしまった。
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