没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「いえ。まだ決まったわけではないわ。侯爵閣下がどうお考えかわからないから」

「ですが、この屋敷の使用人は皆侯爵令嬢様だと思ってお仕えいたしますわ。みな、とても喜んでいます。とても活気付いたんですのよ。侯爵様もあんなに元気に…きっととてもお喜びですわ」

最後のほうは涙ぐみ、目尻を袖でそっとぬぐっていたけれど、フィリシティはあまり見ないようにした。

正直、面食らう。
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