没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「わたしは母に育てられたから、こちらの家をすごく悪く思っていたの。国王陛下の命令でこちらの屋敷にはじめて足を踏み入れたときもとても恐れていた。ついにお母様から聞いていた史上最低のすごく悪い家に来てしまったのだと思ったの。お先真っ暗だと思っていたわ。
だけれども、あなたたち使用人のみんなをはじめ、老侯爵様はとてもいい方に見えたわ。それでも半信半疑だった。けれど、2週間過ごしてみて、やっぱりわたしのほうが間違っていたのだとわかったの」
フィリシティはいったん言葉を切ると少し間を開け、そしてまた話しはじめた。
「けれどだからといってお母さまが言っていたことが間違っていたとも思わない。お母さまとこちらの家の間にはなにかとても奥深いしがらみがあるのだと思うの。それが何かを知りたい。お母さまがどうしてあそこまでクランドン家を嫌っていたのか。勘当されてでもロジャーズ伯爵である父との結婚を選んだのか。それを知りたいと思っているわ」
「お嬢様…」
エリーが顔をあげた。
そしてくしゃりと表情をゆがめた。
だけれども、あなたたち使用人のみんなをはじめ、老侯爵様はとてもいい方に見えたわ。それでも半信半疑だった。けれど、2週間過ごしてみて、やっぱりわたしのほうが間違っていたのだとわかったの」
フィリシティはいったん言葉を切ると少し間を開け、そしてまた話しはじめた。
「けれどだからといってお母さまが言っていたことが間違っていたとも思わない。お母さまとこちらの家の間にはなにかとても奥深いしがらみがあるのだと思うの。それが何かを知りたい。お母さまがどうしてあそこまでクランドン家を嫌っていたのか。勘当されてでもロジャーズ伯爵である父との結婚を選んだのか。それを知りたいと思っているわ」
「お嬢様…」
エリーが顔をあげた。
そしてくしゃりと表情をゆがめた。