没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「ありがとうございます。きっとお嬢様もこの家を憎んでいらっしゃると思っていました。だから、マリーナ様がされたようにまたフィリシティお嬢様にも憎まれてしまうのが怖かったのです。けれど、お嬢様は…侯爵閣下をよい方だと言ってくださる。ならば真実をお話しましょう。長くなりますがよろしいですか?」

「ええ。長くても問題ないわ。ならば、お茶をいれましょう」

「わかりましたわ。お茶を用意いたします。とても長いエリーのお話にお付き合いくださいませ。お嬢様」

エリーはピシッと背筋を伸ばした。
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