没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
どういうことだろう。
この屋敷のどこかにそんな部屋があると?

「はい。わたくしたち使用人は入ることも許可されておりません。マリーナ様が家出され、マリーナ様の母君の侯爵様であられるルイーズ様が亡くなられてからは誰も入っておりません」

「老侯爵様もお入りにならないの?」

「はい。女性の跡継ぎしか入室を許可されていないのでございます」

何だろう。それは…。


ある意味ぞっとするような感覚を覚える。
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