没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
けれど、感傷に浸っている場合ではない。
なんとしてもその部屋に入って調査しなければ。

「エリー。つらいでしょうね。ごめんなさいね。こんな話をさせてしまって」

「いいえ。ですが、いずれはフィリシティ様がお知りにならなければならないことです。これはクランドン侯爵様が背負うべき運命なのですから」

運命…

「エリー。そのお部屋にわたしが入れるかしら?」

絶対に入らなければならない。
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