没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「我が家は借金をかかえていて、今とても危うい状況なの。このままでは屋敷や領地の一部を売らなければならなくなるわ。だから、悔しいけれど、王都にでてこれを売るしかない。しかるべきところに行けばこれの価値をわかってもらえるはずだから」
「それを?売るのですか?」
このルビーが母親の形見だということはハリーも知っている。
それを売らなければならないほど我が家が困窮しているのだとハリーは驚きの表情を隠せないようだった。
「いい?ハリー。この領地はあなたのものよ。今はお父様のものだけれど、あなたに引き継がれるまできちんと守る必要がある。お父様はお母さまがなくなってからとても危うい状態でまたいつ借金をつくってくるかわからない。だから、あなたが目を光らせておくのよ」
「それを?売るのですか?」
このルビーが母親の形見だということはハリーも知っている。
それを売らなければならないほど我が家が困窮しているのだとハリーは驚きの表情を隠せないようだった。
「いい?ハリー。この領地はあなたのものよ。今はお父様のものだけれど、あなたに引き継がれるまできちんと守る必要がある。お父様はお母さまがなくなってからとても危うい状態でまたいつ借金をつくってくるかわからない。だから、あなたが目を光らせておくのよ」