没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
と思ったら、ドアノブはギィっと音をたてて廻り、扉を押すとギシギシギシときしんだ音をたてつつ中に開いていったのだ。
「フィリシティ様。開きました!」
エリーが嬉しそうな声をあげている。
フィリシティが後継者と秘密の部屋が認めたということだ。
フィリシティはさっきは扉が開いてほしいと思っていたくせに、いざ開いてみると自分がクランドン侯爵家の後継者として秘密の部屋から選ばれたということに混乱していた。
だけれど、選ばれてしまったのだ。自分はクランドンの後継者に。
しのごの言ってられない。
覚悟を決めなければ。
貧乏伯爵家を切り盛りしていただけのしがない自分ではあるがやるしかない。
「フィリシティ様。開きました!」
エリーが嬉しそうな声をあげている。
フィリシティが後継者と秘密の部屋が認めたということだ。
フィリシティはさっきは扉が開いてほしいと思っていたくせに、いざ開いてみると自分がクランドン侯爵家の後継者として秘密の部屋から選ばれたということに混乱していた。
だけれど、選ばれてしまったのだ。自分はクランドンの後継者に。
しのごの言ってられない。
覚悟を決めなければ。
貧乏伯爵家を切り盛りしていただけのしがない自分ではあるがやるしかない。