没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
結局収穫がなくて、フィリシティはこの部屋を出るしかなかった。

結界を抜けるとそわそわしながらエリーが待っていて、フィリシティを見てぱっと顔を輝かせている。

「何か…わかりそうですか?」

「ううーん。何とも」

落胆しているフィリシティを見てエラーも肩を落とした。

「左様でございますか…」

今日のところは何もわからなかった。
だけど、自分は秘密の部屋に認められた。

この部屋にはきっと何かあるはず。
今はまだわからなくても…

諦めない。

そしてわたしは…

「エリー。おじいさまのところへ行きましょう」

「は、はい!」


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