没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「しかも奇妙なことに、その花は枯れないというのです」

「枯れないだと?そんな花あり得ないではないか」

花は枯れなければ次の花が育たない。枯れる時に子孫を残すのだ。
なのに枯れないというのは…。

「魔力か?」

「でしょうか?」

気になるな。
一度自分の目で見てみなければなるまい。
だが、王太子である自分が侯爵邸に出向くとまたいろいろ外野がうるさい。

フィリシティとのことは隠密裏に運びたい。

幸いリッチモンドはまだ彼女の事に気づいていない。
このままの状況で事を運びたいのだ。
< 178 / 265 >

この作品をシェア

pagetop