没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
夜会では、フィリシティをクランドン侯爵家の後継者としてさりげなく紹介するつもりだ。

それについては、フィリシティだけでなくロジャーズ伯爵にも説明済みで、娘がいいのならそれでいいと書類にサインももらった。

それよりも領地経営のノウハウを教えてもらい、今はそれが楽しくて仕方ないらしい。
といっても騙されやすい人間はまた騙されるもの。監視は常につけておく必要はあるが…。

弟のハリーがもう少し大人になれば大丈夫だろうが…。ただ彼はフィリシティがクランドンへ入ることに少々難解を示しているが、そこはなんとか説得するつもりだ。


「分かってると思うが、ローマン」

「わかってますよ。一人にしないように注意します」

「しかし…その花を見たいものだ…」

レオンの心は侯爵邸に飛んでいた。
< 180 / 265 >

この作品をシェア

pagetop