没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました


「殿下。本日はよろしくお願いいたしますわね」

目の前でくるくるのストロベリーブロンドの髪を揺らしながら、その空色の瞳をウインクさせたのを見て、ゾッとして目をそらした。

イブリン・リッチモンドだ。
歳は18歳でよく考えたらフィリシティと同じだというのになんだ?このゴテゴテ感は。それにひきかえ、さきほど父王と自分の前にローマンとともに挨拶におとずれたフィリシティの美しさと言ったら…。
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