没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
上品なドレスでローマンにエスコートされているフィリシティを何とも言えない目で見つめている。

「ハーヴィ…」

「どうかしましたか?今日はフィリシティ嬢はわたしがエスコートしています。離すつもりはありませんよ」

ローマンが、眉を少しつりあげ、ハーヴィを威嚇する。

「デニーズ卿がエスコートを…?」

びっくりしているらしい。

「フィリシティ嬢は今宵はクランドン侯爵令嬢としてこの夜会に参加されています。陛下にもご挨拶いたしました」

何か文句があるかという顔だ。

「クランドン侯爵令嬢…」
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