没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「これは侯爵」

「レオン殿下。お見苦しい姿を…。ひざまづくこともままなりませぬ。どうかお許しくださいませ」

「よい。そのままで。そして侯爵。人払いを頼む。どうしても真実を知りたいのだ」

侯爵が人払いするとサロンには、レオン、侯爵、ローマン、フィリシティの4人となった。

と、どこから話そうかとレオンが考えていたところで、老侯爵が先に口を開く。

「誠に長い年月でございましたが、何やら王宮でひとつ、よきことが起ったようですな。これからこの老人が知っていることをすべてお話しましょう」

「おじい様?」

フィリシティは今まであまり口を開かなかった祖父である老侯爵を見た。
覚悟を決めた表情をしている。
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