没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
レオンは一度ドラノブを回そうとしてみた。がびくともしない。
いやだが…

「フィリシティ。俺の手を握ってくれないか?」

「えっ!」

フィリシティが赤くなり俯く。

手を握る?こんなところで?

「いや、そうじゃなくて…」

レオンは焦りながら答えた。

「試したいんだ。もしかしたら俺もこの中に入れるかもしれない。お前が俺の手を握り、ドアノブを回してほしい。そしてそのまま一緒に足を踏み入れてみよう」

「あ、そういうことでしたか。ごめんなさい」

わたしったら勝手な解釈を…はずかしい。
< 214 / 265 >

この作品をシェア

pagetop