没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
ここか。

微量の魔力を感じた。

ここに何かを…

「フィリシティ。あの花だ。花を手折りに行こう」

フィリシティは不思議そうな顔をしていたが、レオンの言うとおりまた手を繋いで部屋を出ると、例の木の下へ行った。

「やはり。この下に魔力があるな。この木の魔力だと思っていたが下にもあったのか…」

「この枝を?」

「ああ。手折ってあの本棚のこの木の木彫りの上にかざすんだ」

そうして手折った木の枝を持って2人で秘密の部屋に戻ると、レオンとフィリシティは木彫りの前に立った。
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