没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「葉の色の魔石なら…」

レオンが、いったんフィリシティの肩を離し、シャツの間から首元に手を入れた。

「ここにある」

その輝く宝石はチェーンの先にキラキラと輝いていた。

「まあ綺麗。それは…」

「これは、俺が生まれた時に、贈り物としていろんな貴族から送られたものの中にあったものだ。他国からのもので、俺がこれを身につけていると泣かずに大人しくなったから、お前の魔石だと父が肌身離さず持っておくようにチェーンに通したものだが…」

「そ、そうなのですか…?」

レオンは信じられない思いだった。これがこの書物に書かれている魔石なら…フィリシティの祖母と母が父の国王と結婚させようとしていたのはある意味ただの思い違いで、自分こそが…この緑の魔石を持っていて…ということはつまり…
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