没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「それまで、言いなりになっていたリッチモンドの娘との縁談が決まりそうでうんざりしていた自分の人生を破壊してやりたいと思わせてくれたのはお前だ。ようやく自分の意思で生きたいと思わせてくれたのはフィリシティなんだよ。お前がいい。好きだ。フィリシティ」

その手を取り恭しく手の甲にキスをする。

「どうか俺と…結婚してほしい。この国のためにではない。俺がそう望んでいる。嫌なら…断ってくれてもいい。ただ俺は諦めない。お前が俺を…好きになるまで…。いや、好きにらならないとしても、俺と結婚してもいいと思うまで…」

「殿下!そんな…こと…」

フィリシティはびっくりしてしまって声も出なかった。
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