没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
そして死ぬ間際には娘のフィリシティに託したと、夫はすぐに困窮することはわかっているし、あの子がこの魔石を売る日も近いだろうから、その時に王家に渡ればいいのだけれどとも書かれていた。
とても苦悩したに違いない。
王家から隠し持っていることを親友に言えない葛藤に。
けれど、そんなに重要な魔石を娘に『然るべき筋に売れ』とだけ言い残して死ぬなど、ある意味博打よねとフィリシティはブルっと震えを感じた。
結局、母はもう耐えられなかったのだろう。
クランドンの後継者としての重圧や待遇に…。
「王妃殿下が母と懇意にしていただいていたと聞き、嬉しく感じます。母に親友と呼べる人がいたことは幸せだったと思います」
「そうね。わたしもそうよ。だって親友の子と我が子がもしかしたらって思うとね」
え?
シンシアはうふふと笑っている。
とても苦悩したに違いない。
王家から隠し持っていることを親友に言えない葛藤に。
けれど、そんなに重要な魔石を娘に『然るべき筋に売れ』とだけ言い残して死ぬなど、ある意味博打よねとフィリシティはブルっと震えを感じた。
結局、母はもう耐えられなかったのだろう。
クランドンの後継者としての重圧や待遇に…。
「王妃殿下が母と懇意にしていただいていたと聞き、嬉しく感じます。母に親友と呼べる人がいたことは幸せだったと思います」
「そうね。わたしもそうよ。だって親友の子と我が子がもしかしたらって思うとね」
え?
シンシアはうふふと笑っている。