没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
キュジュダリアンの木の根元が黒くなりはじめ、どうやら枯れはじめているようだ。
そのスピードをみる限り木一本が枯れるまでに数十分といったところか…
あの木が枯れると、地下に穴が開き、部屋が崩壊する恐れがある。

レオンはフィリシティの手を取り、フィリシティは、古い書籍だけを抱えると、秘密の部屋を出た。

侍女たちにも伝えて、老侯爵もとりあえず庭に避難してもらった。

庭でキュジュダリアンの木を眺めていると、どんどん枯れていく。

本来はもう寿命を終えていたはずのキュジュダリアンの木は生命力を維持させていた魔力が途絶えたことで一気に500年の時を通過しているのだ。
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