没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
フィリシティは1年半前に男女の双子を産んだ。
フィリシティに似た王子と王太子に似た王女で安産で産まれ、もちろん可愛らしいこと極まりないのだが、双子というのは育児がかなり大変らしい。
フィリシティも毎日疲れているようで、伯爵の有機野菜はかなり疲労によいようだ。

夫婦仲は良すぎるくらいで、貴族たちが目を背けるほどの仲の良さだという。
そのうちまた次の王子が王女が産まれるだろう。

「ならばよい。わしはもう先短い身じゃ。ハリーにもたんと食べさせよ」

「それはもうぬかりはありません。こちらのシェフの方にも一番栄養が取れる調理方法を説明しておきましたから」

「えー。お父様。僕人参だけは…」

「何を言ってる。ハリー。ニンジンの栄養を舐めてはいけないぞ。カロテンという栄養がだな…」

コンコンとハリーに行って聞かせている伯爵とハリーのやり取りを心の中ではほくそ笑みながら眺めつつ…

窓の外を見やった。
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