没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
フィリシティが兄妹の上位互換みたいなもんにしか思っていないことくらい。

それに…

ロジャーズ家が没落しかけているころから両親にフィリシティはやめろと反対されていることはわかっている。

けれど、あきらめられない。
だから、家を出た。
近衛兵として一人前になったら…両親を言い負かすことができたら…フィリシティを迎えに行こうと…。

没落令嬢が何だっていうのさ。
僕は…ずっとフィリシティだけだ…。

ハーヴィはぎゅっとフィリシティの手を握った。

「ハーヴィ?」

突然強く握られたことに目をキョトンとさせている。
か、かわいい…。

「いや。はぐれたら大変だからね。急ごう。もう卿は待ってらっしゃると思うから」
< 46 / 265 >

この作品をシェア

pagetop