没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「堅苦しいのはいいですよ。お嬢さん。わたしは、マーキュリー・キャベンディッシュ。むさくるしいところで申し訳ない。男ばかりなもので。まぁおかけください。お茶でもお入れしますよ」
「どうかお気遣いされませぬよう」
キャベンディッシュ卿はお茶をさらに2杯分そそぐと、2人の前に置いた。男ばかりの職場にしては、香り高く、かぐわしい香りが漂う。
質の良い茶葉を使っているらしい。
「何かご相談があると伺いましたが…」
キャベンディッシュ卿は手をすっと差し出し、お茶を飲むようすすめてから、自身も一杯口に入れた。
フィリシティは心の中で深呼吸し、背筋を伸ばした。
「はい。実は、ある宝石を売りたいと考えています」
「宝石ですか?」
「はい。事情がありまして、結構な金額のお金を工面する必要があり、母の形見ではありましたが、手放す覚悟をいたしました。ただ、この宝石が時代物でして、価値の分かる方に鑑定いただいてからお売りしたいと思い、田舎より王都に出てきた次第なのです」
「ほう。時代物ですか」
「どうかお気遣いされませぬよう」
キャベンディッシュ卿はお茶をさらに2杯分そそぐと、2人の前に置いた。男ばかりの職場にしては、香り高く、かぐわしい香りが漂う。
質の良い茶葉を使っているらしい。
「何かご相談があると伺いましたが…」
キャベンディッシュ卿は手をすっと差し出し、お茶を飲むようすすめてから、自身も一杯口に入れた。
フィリシティは心の中で深呼吸し、背筋を伸ばした。
「はい。実は、ある宝石を売りたいと考えています」
「宝石ですか?」
「はい。事情がありまして、結構な金額のお金を工面する必要があり、母の形見ではありましたが、手放す覚悟をいたしました。ただ、この宝石が時代物でして、価値の分かる方に鑑定いただいてからお売りしたいと思い、田舎より王都に出てきた次第なのです」
「ほう。時代物ですか」