没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
自分が早く結婚して、後継ぎを残さねばならないことはわかっている。
代々短命のミカリオン王家だ。
自分も40代になると体を壊し始め、50歳までには必ず死ぬ。
それがミカリオン王家に代々巣喰う魔女の呪いなのだ。
今まで呪いを解こうといろんなものを試したらしいが、どれも効果はなかったと聞く。

だから早く妃を得て、後継ぎをなさねばならない。

重々承知ではある。

だが、なぜリッチモンドなのか。
あの公爵は自分を懐柔しようとする。
娘など娶ったら相手の思うつぼだ。

ミカリオン王家の呪いのせいで、王家の勢力は弱く、三大公爵家の力がなければミカリオンは国として到底維持てきない。
中でもリッチモンド家は絶大なる勢力を誇り、王家をしのがんばかりの勢いなのだ。

「リッチモンド家からの縁談はどうされるおつもりです?」

「それはだな…」

ちっ…とレオンが舌打ちした。
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