没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「はい。父であるマークは国王陛下と懇意にしていただいておりますが、兄のサイラスがこれからは商会を背負っていくことになります。一度ご挨拶を申し上げたいと言っております。どうか謁見の許可をいただきたく…」
「そうだな。しかし、そなたは至急の要件と申しておったな。謁見の許可であれば、申込書を出しておけばよいであろう?」
謁見については、許可申し込みを事前に提出し、こちらから指定した日に訪れるのが基本だ。
こんなことで至急というのならおかしな話である。
「はい。先日、手に入れた品の件でどうしても至急お会いせねばならないと言っております」
手に入れた品?
どうしても?
至急?
「そうだな。しかし、そなたは至急の要件と申しておったな。謁見の許可であれば、申込書を出しておけばよいであろう?」
謁見については、許可申し込みを事前に提出し、こちらから指定した日に訪れるのが基本だ。
こんなことで至急というのならおかしな話である。
「はい。先日、手に入れた品の件でどうしても至急お会いせねばならないと言っております」
手に入れた品?
どうしても?
至急?