没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました

「やはりそうなのですね」

サイラスが納得したようにうなづいた。

「ミカリオン王家の方なら判別できるものであると判断いたしましてお持ちしたのでございます。鑑定人はこれは魔石であるという鑑定書をよこしましたので」

「いかにもこれは魔石である」

レオンはその首飾りを手に取り、重みを感じてみた。

ゴールドの台座は分厚く、宝石も大きいため、それだけでも重さはかなりあるが、それ以上に魔石にこめられている魔力量がすさまじく、そのせいでかなり重く感じる。
この重さもミカリオン王家の者でないとわからないだろうが…。

宝石をまじまじと眺めると、どこまでも深く、奥にたゆたう光をたたえている。
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