没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「はい。ロジャーズ伯爵家がご令嬢、フィリシティ・アリア・ロジャーズ様にございます。」

何だと?

レオンは思わず宝石を落とすところだった。
が…顔には出さない。

平静を装ったままレオンはサイラスにその先を促した。

「フィリシティ嬢とはどうしても売りたい時代物の宝石があるとお聞きし、弟のマーキュリーの仲介でお会いいたしましたが、その時持ってこられたのがこの首飾りでした。長年商売人をやっておりますので、この首飾りがかなり価値のあるものであることは一見でわかりました。ですがまさか魔石だとは思わず、とりあえず鑑定後に見積額をお知らせするとお伝えしてあります。鑑定書が魔石との鑑定でしたので、このとおり王家に届けた次第です」
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