没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「なるほど」

やはりロジャーズ家はかなり困窮しているとみえる。これを売らなければならないほどに…。

「して、フィリシティ嬢に見積をせねばならぬのであろう?」

「はい」

「これは王家で買い取ろう。サイラスの考える価値を申せ。鑑定書があるのであろう?」

「は、それでは…」

そこに書かれた金額はかなりのもので、ミカリオン王家なら払える額ではあるが、今年度の王家の私財予算を再度補正する必要があるなとレオンは心の中で唇をかんだ。
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