没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「そうか…ついに…見つけたのだな」

ラインバークも涙を流していた。
長い長いミカリオン王家のひとつの戦いがついに終わったのだ。

「レオン。そなたとはいろいろ話さねばならない。ただ…」

「はい。なんでしょう。父上」

「余はお腹がすいておる」

何年振りかでにっと笑った父王を見てレオンは涙が出そうになりながら、大慌てで侍女を呼んだ。

「あ…そうですね。侍女を呼びます。おっとそのまえに母上を呼んでこなければ…」

そこからはバタバタと時が過ぎていく。

父王がもりもりとご飯を食べているのを見て、涙を流す母王妃を見て、レオンは自分も涙ぐみそうになりながら、執務室に戻った。
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