没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
それより王都から勅使とはどういうことなのか?

勅使というのは…
勅使というと…

王の遣いってことじゃないの?

「ハリー?勅使って言ったわよね?」

「はい。いったい何があったんでしょう?我が一族が何か国王陛下の気に障ることをしてしまったのでしょうか?もしやまた父上が…?」

ハリーもフィリシティもその場で青ざめてしまったが、勅使がきた以上仕方がない。会うしかあるまい。

フィリシティは覚悟を決め、農作業の手をとめた。

「この格好では会えないわね。勅使の方に待っていただくよう応接室にお通しして。着替えてから行きます」

ハリーは子どもだけれどしっかりしている。そのへんの手配は任せておいてもやってくれるはずだ。

「わかりました。姉さま。応接室でお待ちしています」
< 87 / 265 >

この作品をシェア

pagetop