夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?

「嫌われるの・・・が怖い・・・」


「そっか。じゃあ、俺は菊野を嫌わない」


「え・・・?」

「俺は菊野を嫌わないから、俺のことを怖がらないで欲しい」

どうしよう、何か答えないと。

でも、嫌わないっていう言葉を素直を信じられるほど私の心は強くない。

「菊野、もし俺の言葉が信じられないなら、こう思って欲しい。「俺に嫌われてもいい」って」

「どういうこと・・・?」


「菊野、この世界で誰一人にも嫌われないなんて無理なんだよ。だって、どれだけの人がいると思う?」

「だから、菊野。これからだって何度でも言うよ」


「嫌われたっていいんだ」


「人は嫌われたって死なないし、自分が変わるわけじゃない。お願い、菊野。嫌われるのなんかを怖がって、世界に絶望しないで」


なんでかな。

気づいたら、涙が溢《こぼ》れていたの。
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