夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?
ボロボロと涙をこぼす私の顔を、心配そうに夏目くんが覗《のぞ》き込む。

「大丈夫?菊野」

「だ、大丈夫・・・ごめん、嬉しくて・・・ただただ嬉しかったの・・・」

私のその言葉で、夏目くんは嬉しそうに微笑んだ。

その時、ガラッと保健室の扉が開いて、森崎先生が戻ってくる。

「うおっ!大丈夫か、菊野!お前が泣いてるところは初めて見たぞ」

「先生、今、感動してるのに釘刺さないでくれます!?」

私は、泣きながらも先生に抗議する。
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