夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?
「・・・ありがとう、夏目くん」

「・・・・・」

「どうしたの?」

「伊央って呼んでくれないの?」

「無理だってば!」

「あはは、まぁ最近話し方も馴染《なじ》みやすくなったし、今はそれで十分」

その時、保健室の扉が急に開く。

話していて、扉のノック音が聞こえなかったのだろう。

私はカーテンの内側に隠れる暇がなく、入ってきた人と目が合う。
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