夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか？

保健室に入って来たのは、私のクラスメイトで一番仲の良かった友達の千歌《ちか》だった。

「由葉！やっと会えた！たまに由葉に会いにきても、ベッドで寝てることが多くて・・・！体調大丈夫なの？」

千歌には詳しいことは話していなかったので、私が身体を壊して保健室で休みながら学校に来ていると思っているのだろう。

怖いぐらいに冷静にその場を分析して、私は昔みたいに笑顔を作った。

「うん！今日は調子が良くてね。今まで会えなくてごめんね！ベッドで寝てることが多くて・・・」

スラスラと嘘を吐く自分が怖かった。

そんな私を心配そうに夏目くんが見つめている。