夏目くん、一緒にカーテンを開けてくれませんか?

「いつも私に合わせてくれて何かをしたいって言ったことも、言い返したこともなかったんだよ」

「本当は、ベッドで寝たふりをしてることも気づいてた。でも、話してくれるまで待とうって」

「でも、もう待ってるだけも嫌なの。ねぇ、由葉。絶対に力になるから、相談して」


私はどれだけ優しい人に囲まれていたんだろう。

「なんで、みんなそんなに優しいの・・・」

涙声で絞り出した言葉に、千歌は泣きながら返した。


「由葉が優しいから」


その言葉に私は涙が頬を伝ったのを感じた。

「違うの、私は千歌に嫌われたくなくて・・・それで・・・」

「いいんだよ、それで。それでも、由葉の優しさが全て嘘だったわけじゃないでしょ?」
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