ハイドアンドシーク
はぐらかそうとしたわけじゃなくて、本当に自分でもわからないらしいその声のトーンに。
本当はもっと追及したかったけど、なんとなくでキスすんなと思いながら胸にぐりぐり頭を押し付けるだけに留めておいた。
だって、いやじゃ、……嫌じゃなかったもん。
「れん」
「…んぅ、」
「雷、もう鳴ってねーけど」
それは暗に離れろって言ってます?
わかってる。そりゃあわたしだって、そろそろ離れた方がいいかなとは思ってた。
東雲さんは気づいてないかもしれないけど、わたしからこんなふうに触れたのは初めてだったんだよ。
ここに来てから、触れてくるのはいつも東雲さんからだった。東雲さんばっかりずるい。
だから、
「もうちょっとこのままでいたい」