ハイドアンドシーク


「っも、いいでしょ。終わり。この話終わり!ねぇ東雲さん、ここって全寮制なんですよね?」

「全寮制じゃねーけど寮はある。まさか寮生になったとか言わねーよな」

「寮生になりました」


そろそろ部屋に荷物も届いているはず。



「相手の邪魔にならないうちに早く荷解きしたいので、もうわたし行きますね。じゃあ……会えてよかったです、東雲さん」


一方的にそう言い残し、踵を返そうとしたとき。



引き留めるように腕をつかまれた。


「なッ……、っ」



なにするんですか。


振り返った先。

思ったより近くにある整った顔に、どきりと心臓が跳ねる。


全てを暴いてしまいそうな瞳から目を逸らせない。


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