ハイドアンドシーク
ポートワイン
首の痕が消えないうちにやってきた本来のヒートは何事もなく終わった。
あとは突発的なヒートさえなくなってくれれば。
せっかく夏休みになったんだから、どこかに遊びにもいきたいなぁ、なんて思っていたある日のこと。
「暇だし、どっか行くか」
その言葉に自習をしていた手が止まる。
勉強モードからすぐに頭を切り替えられずにぽかんとしていると、東雲さんが立ち上がった。
「その気あるんなら、俺が戻ってくるまでに適当に準備しとけよ」
ぱたん、とそのまま出ていってしまう。
「お出かけ、…」
とりあえず、お気に入りのワンピースを取り出した。