ハイドアンドシーク



抜けるような青空と白い入道雲のコントラスト。

さほど強くはない昼下がりの日差しも心地よかった。



「えっ見てあれ」

「うそ、やば……」


さっきから、ちらちら見られていることを除いては。


立ち止まってまで見ているのは女の人ばかりだったけど、たまに男の人も振り返っていた。


やっぱりこのひとはどこにいても人の目を集める。

幼なじみとしては誇らしい。


……だけど──



「お前な」

「ぅえっ、な、なに?」


考えてることが伝わったのかと思ったけど、もちろんそんなことはなくて。

当の本人は周りの声さえどうでもよさそうだった。


それよりも気になることがあるらしい。

わたしの格好だ。


< 134 / 203 >

この作品をシェア

pagetop