ハイドアンドシーク
抜けるような青空と白い入道雲のコントラスト。
さほど強くはない昼下がりの日差しも心地よかった。
「えっ見てあれ」
「うそ、やば……」
さっきから、ちらちら見られていることを除いては。
立ち止まってまで見ているのは女の人ばかりだったけど、たまに男の人も振り返っていた。
やっぱりこのひとはどこにいても人の目を集める。
幼なじみとしては誇らしい。
……だけど──
「お前な」
「ぅえっ、な、なに?」
考えてることが伝わったのかと思ったけど、もちろんそんなことはなくて。
当の本人は周りの声さえどうでもよさそうだった。
それよりも気になることがあるらしい。
わたしの格好だ。