ハイドアンドシーク
「モッチーってあの、さっきの先生のこと?」
どうやら望田 求というらしい。
自分たちが入学する前からこの学園にいて、すでにあんな感じの怠惰な性格だったんだとか。
面倒事は避けて通るタイプで、自分から生徒に関わることは滅多にないんだって。
「へえーそうなんだ……」
「そうそう。そうなんだよ」
話しているうちに、こいつは危ないやつではないと判断されたのか、席の周りに人が集まってくる。
信用まではしないものの、警戒心は解かれたようだった。
というかなんか猫みたいでかわいい。
「で?」
「え、?」
「結局、お前と統理さんの関係はなんなんだよ?」
そっか、昨日はなにも説明しないまま東雲さんが部屋から追い出したから……。
「いちおう、幼なじみ……みたいな」