ハイドアンドシーク


そういえばお肉とかお魚、久しぶりだったかも。

このところ、ずっと適当なもので済ませてたから。

今日もそうするつもりだったんだけど、もしかしてこのひとはそれを知ってて……


そのとき、東雲さんが一瞬わらったような気がした。



「、え……いま」

「ニコニコしながら食ってるとこ想像つくわ」

「ちょっ、東雲さんのなかでわたし食いしん坊キャラになってない?」


そういう東雲さんはなにが好きなんですか?

って訊き返したけど、


「特にない」

「だめだよそれ!わたしも答えたんだから、東雲さんもちゃんと教えてください」

「じゃあポテサラ」



なぁんか適当に答えたような気がしなくもないけど……と、自分のお弁当に視線を落として、そこにあったものを思い出す。



「あっポテサラありますよ。はい、あげる」

「お前それさっき箸でつつきまわしてたろ」

「ちょっと食べたけどつつきまわしてはないです。心配しなくても、汚くはしてませんから」

「腹壊したら覚えとけよ」

「え何わたしのこと病原体だと思ってる?」


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