ハイドアンドシーク
そこから、なんとなく。
ぽつりぽつりとお互いの好きなものを教え合った。
好きな季節とか、よく聴く音楽とか、どんな映画が好きかとか。ありきたりなことを一つずつ。
東雲さんはどうやら寒がりで、冬以外なら季節はなんでもいいらしい。
暑がりのわたしは冬が大好きだった。
音楽はほとんど聴かなくて、その代わりよく聴いてるのは落語なんだとか!
この前イヤホンからきこえてきたのも噺家のひとの声だったらしい。
映画は東雲さんがホラーやサスペンス、わたしはアクションや恋愛もの。
好きな色が白と黒に分かれた瞬間、わたしはとうとう堪えきれなくなって噴き出してしまった。